お地蔵さんが川の中から現れた! 汚い河川から奇跡の復活を遂げた尼崎の『庄下川』
2025.01.25

尼崎の庄下川(しょうげがわ)をご存じですか?尼崎市の中心部を流れる庄下川は、市民の生活と深く結びついた川です。その歴史と現在の姿をご紹介します。
目次
庄下川はどこを流れているの?
市内の方でも、どこの川だっけ? という人がいるかも知れませんので解説します。
庄下川は、尼崎市の中心部を南北に貫く重要な河川のひとつです。
- 起点:塚口町8丁目(伊丹市との境界付近)
- 中流:尾浜町で昆陽川(こやがわ)と合流
- 主要地点:あましんアルカイックホール、都ホテル尼崎付近を流れる
- 分岐点:築地で東西に分かれる
- 東側:庄下川水門を通って左門殿川(さもんどがわ)に合流
- 西側:尼崎閘門(映画『あまろっく』の舞台)に向かう
全長は約7.3kmで、淀川水系の一級河川に指定されているんです。
公害の歴史と復活の物語
工業化がもたらした環境問題
戦後、尼崎市は日本の高度経済成長を支える工業都市として発展したのは有名な話です。しかし、その代償として深刻な公害問題に直面することに……。1960年代に工場排水や生活排水の流入により水質が極度に悪化し大気汚染や水質汚濁が社会問題化しました。
環境改善への転機
1980年代に入り、環境改善への取り組みが本格化、工場排水規制や下水道の整備が進みました。
- ・1988年:「ふるさとの川モデル河川」に指定
- ・1994年:河川愛護団体「庄下川ラブリバー委員会」が発足、毎年の清掃活動を開始
驚きの発見!川底から現れたお地蔵さん

尾浜八幡神社は庄下川に面した神社ですが、ここに展示されているお地蔵さんには驚くべき歴史が……。
なんと、川底の浚渫工事中に、21体ものお地蔵さんが発見されたというのです!この出来事もあり、庄下川を綺麗にしよう、という機運がより高まったのかもしれません。

河川の復興が対外的にも認められました!
長年にわたる市民の努力により、庄下川は見違えるほど美しくなりました。2000年には、建設省(現在の国土交通省)の「甦る水100選」に選出されました。
※残念ながら、上記リンクの一覧より『魚とまつりが返ってきた・庄下川』先は見れなくなっていました。
2023年には「庄下川ラブリバー委員会」が『河川功労者表彰』を受賞しました。
公益社団法人 日本河川協会が1949年から続けている由緒ある賞だそうで、長年の人々の想いが1つの形となったものといえますね。
尼崎のウェブサイトにて、受賞の様子と表彰状が掲載されていました。
まとめ
庄下川は、尼崎市の歴史と共に歩んできた川です。公害の時代を乗り越え、市民の努力によって蘇った庄下川は、今や尼崎市の誇りとなっています!
小さなアクションが、きれいな未来につながっていく。庄下川の歴史から、尼崎の明るい未来への可能性を感じました。
これからも、町をきれいに……を心がけていこうと思いました。
あ、庄下川を深堀りしようと思ったキッカケの尼崎あるあるもぜひご覧くださいね♪